OpenAIとのチャットを作成します。ChatGPTのように、ログインした会員がメッセージ(質問)を送信したら、Open AIが答えるというものです。メッセージはOpen AIのAPIを使用して送信しますが、AIのレスは時間がかかる(長いときは60秒以上)ので、この部分を非同期の対応とします。非同期の対応にはいくつか方法がありますが、ここではシンプルにartisanのコマンドをバックグラウンドのプロセスとして実行します。そして、前回のNotificationを使って答えが来たらWebscoketを通して表示とします。
欲しい機能
デモとして簡単にするために、今までのログインした会員の間でのチャットとは違い、1対1のチャット、ここではログインした会員(太郎くんが私)が質問者で、花子さんがAIとなります。
Open AIでアカウントを登録
Open AIのAPIを使うのでAPIのキーがまず必要となりますが、Open AIのサイトでアカウントの登録が必要です。Pusherの登録と違い、ステップが多いので辛抱を。基本的にアカウント情報(メールアドレス、パスワード)を入力して、Eメールをもらう。Eメールの確認リンクから、今度は名前と生年月日を入れて、さらに電話番号を入れてスマホでテキストコードを受け取り、それを入力して登録完了です。
まず、以下のリンクに行きます。
Loginをクリックすると、
Signupをクリックすると、
さらに、
パスワードの入力して完了すると、登録したメールアドレスに以下のようなメールが来ます。
メール確認のボタンをクリックすると、今度は、
名前と生年月日を入力すると(真ん中の組織名はオプションです)、
ここに電話番号を入力してボタンをクリックすると、あなたのスマホにショートメールでコードが送られます。それを正しく次の画面で入力するとやっと登録完了です。
APIのキーをゲット
次にAPIのキーの取得です。まず、以下へ行きます。
https://platform.openai.com/account/api-keys
そこで「Create new secret key」のボタンをクリックすると、以下のダイアログが表示されます。
そのダイアログで、キーのタイトルを入れて(オプションなので入れなくてもよい)、「Create secret key」のボタンを押すと、
キーが作成されます。この値が後のプログラムの設定で必要となります。「Done」のボタンを押したらもうキーの値が見ることができないので必ずどこかにコピペで記録を。
ソースコード
今回の機能を追加したソースコードは、前回の会員チャットをもとにして違うgitブランチ(chat-openai)としました。
レポジトリはこちらですが、すでにデモのソースコードをインストールしているなら、以下でスイッチできます。
$ git fetch $ git checkout chat-openai
を実行してブランチをゲットできます。
masterとの差分は以下です。
$ git diff master --name-status A app/Console/Commands/OpenAICommand.php D app/Events/MessageSent.php M app/Http/Controllers/ChatsController.php A app/Notifications/OpenAINotification.php M composer.json M composer.lock A config/openai.php M resources/js/chat.js M resources/views/layouts/app.blade.php M routes/channels.php
会員間のメッセージのやりとりはないので、MessageSent
のイベントは削除しています。
また、以下のopenaiのphpのライブラリを使用するので、composer.jsonが更新されています。
https://github.com/openai-php/client
それゆえに、以下の実行が必要です。
$ composer install
そして、Open AIの設定のために、.envの編集も必要です。
... OPENAI_API_KEY= OPENAI_REQUEST_TIMEOUT=60 OPENAI_USER_ID=2 OPENAI_MODEL=gpt-4
OPENAI_API_KEYには上で取得したキーを入れてください。OPENAI_USER_IDは花子さんのusers.idです。OPEN_MODELは使用するOpen AIのモデルです。最新が、gpt-4ですがコストを考えるなら、gpt-3.5-turboをお勧めします。
最後に、前回と同様に以下のコマンドを実行すると、ブラウザでテストが可能です。
$ npm run build $ php artisan serve
必ずここを読む
Open AIのアカウントの作成の際に、無料で5ドル分の3ヶ月有効なAPIの使用が可能となります(この記事を書いた時点ですがすでにアカウントを持っていた故に確認できず)。5ドルでも結構なテストはできます。しかし、コストは使用するモデル(gpt-3, gtp-4など)や送信と受信する文字数により変わります。実際は使用される言語のトークン数なので、事前にいくらとなるかの計算は簡単にできません。
使用したコストは以下でチェックできます。
https://platform.openai.com/account/usage
今回のデモは最新の質問だけをOpen AIに尋ねるという形式にしているので、ChatGPTのような複数のOpen AIとの対話とはなりません(以下のような)。APIではChatGPTのようにセッションを保つ機能がないのです。その代わりにこちらのプログラムで過去のすべての対話(メッセージ)とともに新たな質問(メッセージ)をAPIに送るということをする必要があります。そのコードもコメントしてOpenAICommand.phpのコードに入れてありますので、試すことも可能です。しかし、メッセージを作成するごとにトークン数が増えていくのでコストに注意をしてください。
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